近畿矯正歯科研究会−A.O.R.K−

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歯科医師
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第9回矯義説堂

開催日時
2022年5月29日(日)9時20分〜17時

会場
大阪大学コンベンションセンター
(〒565-0871大阪府吹田市山田丘1-1)
地図(別ウィンドウで開く 大阪大学)

参加費
非会員:1万円
会員:無料

プロモーションビデオ(2分51秒)

講演・プログラム ダウンロード(PDF)

会長講演

永田裕保

永田 裕保 先生

包括的歯科治療における矯正治療

1991年  大阪大学歯学部 卒業
1999年 永田矯正歯科医院開設

所属/役職
日本矯正歯科学会 理事 代議員
日本矯正歯科学会 臨床指導医/認定医
大阪大学大学院歯学研究科 顎顔面口腔矯正学教室同友会 会長
大阪大学大学院歯学研究科 顎顔面口腔矯正学教室 招聘教員
大阪警察病院歯科口腔外科 非常勤

日常臨床において様々な悩みをお持ちの方が来院されるが、複雑な病態を呈している患者に対し、患者の要望に応えながら、問題を確実に解決し、治療結果を長期的に安定させるためには、治療に対するコンセプトを持ち、一口腔一単位の全顎的観点から捉えた総合治療の実践が求められる。正確な診査、診断に基づいて明確な治療目標と緻密な治療計画を立案し、適切な術式を正しい順序で施術することが重要となる。そのためには、患者の病態を大局的に捉え治療の完成型を描くことにより導きだせるトップダウンからの治療設計と、個々の歯や歯周組織の状態を綿密に評価して得られるボトムアップからの治療計画を、高いレベルで融合させることが必要となる。このようなコンセプトのもとに行ってきた治療についてご紹介させていただき、議論いただければ幸いである。

特別講演

>松井 徳雄

松井 徳雄 先生

歯周病患者における矯正治療で配慮すべき事項
―歯周治療の観点からー

 1991年 大阪大学歯学部 卒業
  同年 医療法人貴和会歯科診療勤務
     小野善弘、中村公雄両氏に師事
  現在 医療法人貴和会 理事

所属/役職 
 JIADS理事 JIADSペリオコース ペリオ・インプラントアドバンスコース講師
 アメリカ歯周病学会(AAP) 会員
 日本臨床歯周病学会 理事、指導医、認定医
 日本歯周病学会 会員
    日本口腔インプラント学会 会員 
 Osseointegration of Japan 理事

歯科疾患にはカリエス、歯周病、歯牙破折、根尖病変、歯の位置異常、外傷など多岐にわたる病変があり、その結果、歯および歯周囲組織はさまざまな状態に変化する。歯科治療すべての目標は、良好な口腔状態を長期的に維持し、機能させることと考える。しかしながら来院される成人患者は、歯周病に罹患し、咬合状態も不安定なことも多く、その対応に苦慮することも少なくない。
このような状況で安定した歯、歯列の維持のためには、患者自身による清掃性の高い口腔内環境と安定した咬合の確立が大切で、とりわけ個々の状態に応じた適切な歯の3次元的ポジションは重要である。しかしながら、歯周病による支持骨の減少や歯肉退縮が見られる場合の矯正治療は、さらなる支持骨の減少や歯肉退縮が生じるリスクが高く注意を要する。
今回は、矯正治療前、中、後に分けて歯周病患者における矯正治療で配慮すべき事項を皆様と考えてみたい。

会員講演

>米澤 大地

米澤 大地 先生

インプラントと矯正を含む包括的歯科治療における矯正医主導の治療計画について

1996年  長崎大学歯学部卒業
2003年 米澤歯科醫院 開院
2014年 長崎大学 歯科矯正学分野 非常勤講師
2017年 長崎大学 口腔インプラント分野臨床准教授
2018年 大阪歯科大学口腔インプラント科CEセミナー講師
所属
 日本臨床歯科学会 指導医 大阪支部長(大阪SJCD会長)
 日本臨床歯周病学会認定医、歯周インプラント認定医 関西支部理事
 日本矯正歯科学会会員 AO会員 SAFE共同主催 GPO主催

天的欠損を含む天然歯列の矯正治療患者や、欠損歯や予後不良の補綴歯を含む患者における治療計画の立案方法を2020の矯義説堂において示した。臼歯関係を決定し、(T級、U級、V級のどれか)その構築に成功することで、適正な犬歯関係、アンテリアカップリングが得られるという内容であった。次にこのような包括的症例において、質の高い咬合再構成治療を行うためには、治療計画の立案は審美診断より行うべきで、チームアプローチにおいては矯正医が主導し、矯正学的診断に基づいてインプラント埋入部位を決定することが重要で、その治療結果のイメージを共有することが治療を成功に導く。
筆者オリジナルのスタイナーボックススコア(改変)を使用して行う診断と治療計画の立案方法について、臨床例を通してご紹介し皆様のご意見をいただきたい。

>井筒 大輔

井筒 大輔 先生

「補綴前処置としての矯正治療」のポイント

2001年 岡山大学歯学部 卒業
2005年 井筒歯科クリニック 開設

所属
下間矯正会 講師
日本顎咬合学会・認定医
日本矯正歯科学会 会員
日本舌側矯正歯科学会 会員
日本臨床歯科学会 会員

昨今、補綴治療に先立って矯正治療を行うケースが増加している。なぜ、補綴治療に先立って矯正治療が必要なのであろうか?
叢生の改善、スピーカーブの平坦化、臼歯関係の改善・・・と矯正治療の目的は多岐にわたるが、私はその最大の目的はズバリ、「審美的で機能的なアンテリアカップリングの構築」にあると考えている。そして、咬合崩壊患者の咬合再構成においても、通常の矯正治療と同様、許す限りのプロファイルの改善を行うべきだと考えている。その際、治療後に目指す前歯の位置とは?
今回、一般臨床医と矯正医の二足のわらじを履きながら携わってきた矯正・補綴のコラボレーション症例を通して、“補綴前処置としての矯正治療”がもたらすメリット、そのポイントについて述べたいと思う。

>山下 和夫

山下 和夫 先生

包括歯科治療の際に連携医療機関との間で注意する点について

1992年 大阪大学歯学部卒業
1996年 大阪大学大学院歯学研究科修了
1998年 岡山大学歯学部助教
2001年 大阪大学大学院歯学研究科助教
2003年 ヒラノ矯正歯科クリニック副院長
2013年〜 駅前矯正歯科(旧ヒラノ矯正歯科クリニック)院長
2016年〜 大阪大学大学院歯学研究科招へい教員

所属
 日本矯正歯科学会 臨床指導医 代議員
 日本口蓋裂学会  認定師
 日本顎変形症学会 評議員
 京都矯正歯科医会 理事

矯正治療を希望して来院される方々の中には、齲歯や歯周病を治療中の方や、既に歯の数が減り、かかりつけ歯科医のもとで補綴治療を控えている方もいる。健康な歯を持っている人たちでも矯正治療中にう蝕や歯周病にかかるリスクが増加するため、全ての矯正患者には包括的歯科治療が大なり小なり必要である。したがって、矯正歯科医はかかりつけ歯科医や、必要とあらば口腔外科専門医、歯周病専門医、補綴歯科専門医と連携を取りながら治療を進めなければならない。その際に、まず必要なのはかかりつけ歯科医との治療方針のすり合わせと共有である。しかし、時にはそのすり合わせでつまずき、葛藤を抱きながら矯正治療を進めなければならない場合もある。一口腔単位としての歯列、咬合に最大の利益をもたらすためには、連携医療機関の歯科医師との良好な関係を構築することが重要で、それを得ることができれば患者の信頼も得やすく、治療をスムーズに進めることができると考える。矯正歯科を専門開業されている先生方の日々の臨床の一助となることを祈りつつ、私の失敗経験も含めた2,3の症例を供覧し、患者と連携歯科医と矯正歯科医の「三方良し」の関係を構築維持するための話題を提供したい。

>釜田 博史

釜田 博史 先生

顎関節症の症状を伴うアングルU級開咬症例の治療とその長期経過について

1982年 3月 大阪歯科大学卒業
1984年 4月 釜田歯科医院
1997年 3月 博士号取得(大阪歯科大学)

所属/役職
大阪歯科大学講師(非常勤)
L.A.S.インプラント矯正コース インストラクター
近畿矯正歯科研究会 会長(2014−15)
下間矯正会(大阪・明石)インストラクター
F.O.R.G.理事 S.STAFFの会主催 S.O.R.G.顧問

臨床を行なっているとどうしても補綴のみ矯正単独では治療が満足に行えない患者がいる。骨格の異常や開咬がある患者が典型例だろう。想像してほしい。あなたの初診患者が20歳なのに顎関節症の症状があり、顎関節のレントゲンでは関節頭の吸収が確認できる。主治医としてあなたが臨床歯科医であろうが矯正専門医であろうがその患者に向かい合った時にどうしても包括的な歯科治療が必要になることは明白である。
今回幸いにも発表の機会が与えられたので、私の若い時の症例であるが、長期経過のある症例を提示し皆さんと一緒に症例の検討をしたいと考えている。
矯正治療・補綴保存治療・歯槽膿漏対策そして顎関節に対する対応などまだまだ若い時の治療であるが30年経過後の口腔内をご覧いただこうと思う。

>岡下 慎太郎

岡下 慎太郎 先生

咬合崩壊によって包括的アプローチが必要となった外科的矯正治療症例

2001年 大阪歯科大学歯学部卒業 同矯正学講座大学院入学
2005年 同大学院卒業 歯科矯正学博士号取得
2006年 大阪歯科大学 歯科矯正学分野 非常勤講師
2007年 岡下矯正歯科開院 日本歯科矯正学会認定医取得
2012年 日本舌側歯科学会認定医取得
2015年 日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)取得
2017年 慶煕大学歯学部矯正学講座 臨床教授就任

所属
日本矯正歯科学会 臨床指導医
日本舌側矯正歯科学会 アクティブメンバー 理事
日本臨床矯正歯科医会 社会医療委員
焼き鳥研究会 専務

重度な骨格性下顎前突は、前歯から小臼歯にかけての上下咬合接触が極端に少ないか、中には全く接触していないものも存在する。そのような症例では、かろうじて咬合接触している大臼歯での咬合負担が増大し、それによって起こった大臼歯の外傷性咬合によって歯が喪失してしまっていることがしばしば見受けられる。大臼歯欠損は咬頭嵌合位の喪失を意味し、引き続き咬合負担することになった残存歯も負担が増大・喪失し、いわゆる咬合崩壊を引き起こすことになる。日本の健康保険制度には矯正治療を含めた包括的な治療の概念がなく、欠損に対しては欠損補綴の出番となるところであるが、顎変形症が健康保険の適応であることから僅かな可能性が見いだされる。そもそも、骨格と歯の位置異常が原因で起こった咬合性外傷に対して欠損補綴を行っても予後不良となることは明白である。今回、重度な骨格性下顎前突症例に対して矯正と外科と補綴の3科連携による包括的アプローチを行った2症例について紹介したい。

>大矢 伸治

大矢 伸治 先生

II級重度過蓋咬合症例に対する外科的矯正治療

1997年  徳島大学歯学部 卒業
2002年 岡山大学大学院歯学研究科 博士課程修了 (歯学博士)
2006年 大矢矯正歯科医院(加古川市)開設
2016年  大矢矯正歯科医院 明石駅前院(明石市)開設

日本矯正歯科学会 認定医/ 臨床指導医
大阪大学大学院歯学研究科 顎顔面口腔矯正学教室 招聘教員
岡山大学 学術研究院医歯薬学域 歯科矯正学分野 臨床講師

成人におけるII級過蓋咬合患者の治療は困難を極めることが多い。その病態が骨格的な不調和に起因する症例に対しては、外科的矯正治療が適応となることも少なくない。
今回、(1) 過大なオーバージェットを伴う重度過蓋咬合症例と、(2) 両側性臼歯部シザースバイト(telescopic bite)を伴う重度過蓋咬合症例に対して外科的矯正治療を適用し、口腔外科医との連携により良好な治療結果が得られたので報告する。臨床経験の豊富な矯正専門医でも(2)のタイプの過蓋咬合患者の治療にあたることは極めて稀なことと思われる。
(1)および(2)の症例を供覧しながら、II級の重度過蓋咬合症例への対応とその治療法について検討したいと思う。

>奥橋 園子

奥橋 園子 先生

矯正歯科医院としての外科的補助治療の導入による包括的治療について

     昭和女子大学家政学部生活科学科管理栄養士コース 卒業
1994年  昭和大学歯学部 卒業
     福原達郎矯正歯科研究所 研修医
1998年  神奈川歯科大学成長発達歯科学講座 研究生
2005年 そのこ矯正歯科 開設
2011年  神奈川歯科大学博士課程修了 (歯学博士)

日本矯正歯科学会 代議員
日本矯正歯科学会 認定医/ 臨床指導医
神奈川歯科大学  特任教授

当院では、2005年に歯科矯正専門の歯科医院として開業して以来、通常の矯正歯科診療を行う以外に、患者の利便性を考えて口腔外科専門医の先生方の協力を得て、口腔外科補助治療の診療日を設けた治療を積極的に行ってきた。
歯科矯正治療を補助するための外科的な治療とは、智歯歯胚抜歯(ジャームエクトミー)、埋伏歯抜歯、萌出障害の埋伏歯開窓術や歯科矯正用アンカースクリューの植立、Maxillary Skeletal Expanderのスクリュー植立(MSEと略)、歯科矯正用アンカープレート(仮)の埋入、さらには歯槽部皮質骨骨切り術(コルチコトミー)などである。
歯科矯正治療を専門とする歯科医院では、外部の口腔外科歯科医院や大学病院の口腔外科との連携を深めることで、患者の紹介等をスムーズに行う方法が一般的であり、これらは患者が他院へ移動して治療を受ける時間的なロスが生まれること、矯正主治医が全ての治療に立ち会えない場合など多くの問題点もある。
今回は、当院における「患者の通院している矯正歯科医院で外科的な治療が直接受けられる口腔外科医との包括治療」ならではの症例も含めて紹介したいと考えている。

>高木 豊明

高木 豊明 先生

コルチコトミーを併用した矯正治療の一考察
〜包括的歯科治療への応用〜

1995年 徳島大学歯学部卒業
1999年 徳島大学歯学部歯科矯正学講座 文部科学教官(助手)
2001年 日本矯正歯科学会認定医 取得
2004年 矯正歯科たかぎ・クリニック開設
2010年 宝塚市歯科医師会 学校歯科担当理事(2018年〜常務理事)現在まで
2015年 日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)取得
2017年 日本舌側矯正歯科学会認定医
2021年 日本口蓋裂学会認定師(矯正歯科)

包括的歯科治療の最終目標は、一口腔単位の治療を目指すことで顎顔面全体の審美・機能・永続性と安定性を達成すること。その一端を担う矯正治療の目的は、歯列不正の解消により患者自身で清掃可能な環境改善を行うこと、また緊密な臼歯部咬合およびアンテリアカップリングやアンテリアガイダンスの獲得によりその咬合を長期安定、維持させることである。稀に埋伏歯、骨性癒着歯や脱臼性外傷歯の存在する症例では、歯の移動が難しく目標達成の弊害となる。無理な矯正力は歯根吸収等のリスクがあり、その回避のため歯周組織が健全であれば当該歯を抜去せず、歯槽部皮質骨骨切り術(以下コルチコトミー)による歯の移動を行い歯列及び咬合に参加できれば治療上有利となる。コルチコトミーを行った症例を提示しその有用性と注意した点について解説し様々なご意見をいただきたいと考えている。

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